柏崎刈羽原発の再稼働問題に関し、中原市長が独断で知事に「県議会で決めてくれ」旨の要望をおこなうとのことで、市議会有志会派で市長へ緊急申し入れを行ない、本日もその他の課題も含め申し入れを行ないます。
以下、2つの要請書文案を貼りつけます
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2025年11月21日
新潟市長
中原 八一 様
日本共産党新潟市議会議員団
ともに躍動する新潟
市民ネットにいがた
無所属の会
柏崎刈羽原発再稼働問題への市長の姿勢・対応についての要請書
日頃より、市政発展のため、全力を傾注されていることに心から敬意を表します。
柏崎刈羽原発をめぐっては、6号機の再稼働に向けた技術的な準備が整ったとされていますが、東電の不祥事やトラブルも後を絶たず、避難計画の実効性についても多くの問題点が指摘されています。県が行なっている県民意識調査でも、県民の7割が東電による原発管理に不安を抱え、30キロ圏自治体の集計結果でも「再稼働の条件が整っていない」との回答が半数を超えています。技術的安全性からも県民の安心や理解の観点からも、少なくとも現時点で到底再稼働できる状態ではありません。
一方、花角県知事は、同原発の再稼働の「地元了解」について、「容認」の方向で本日(21日)にも自らの判断を示し、12月県議会に再稼働を前提とした補正予算を諮ることで「県民の意思を確認」する見込みと報道されています。「県民に信を問う」とした知事の公約と大きく乖離する手法で再稼働が進められようとしていると言えます。
本市は市長も認めているように、原発問題の当事者であり、事故の規模によってはUPZ圏内住民の最大の避難先となります。市長の公約では原発再稼働問題について「市民の皆さんの声をお聞きしながら安心安全を最優先させていく」と掲げていますが、市長はこの公約に基づく具体的な行動を取っていません。また、再稼働に関する市民の意識については、市長は「県がアンケートを実施し把握する」ため把握不要との旨、議会で答弁していますが、県が公表した調査結果だけでは本市市民の意識を具体的に把握することはできません。さらに、県の調査の設問も一面的で偏っており、原発再稼働への不安等について、より的確な形で市民の意識を把握することも必要です。
また、市長は「知事の最終的な判断は、県議会が意思表示をすべき」ということをこれまでも知事に伝えた上に、19日も同じ趣旨で知事に要望されたと聞いています。しかし、現局面で知事の公約を事実上破棄するような動きが進んでいる中、市長のこのような意見は、こうした知事の対応を後押しするもの以外の何物でもありません。しかも市民や議会にも何ら説明することなく、事実上独断での要望となったのは極めて遺憾です。県議会の判断によって県民全体の意志が代弁できるはずがないことは明らかです。
以上のような問題点を踏まえ、以下を要請します。
記
1. 自身の公約に基づき、少なくとも県から新潟市に関する調査結果を入手し、その内容を把握・分析すること
2. 上記に加え、さらに独自に市民の意識を把握し、柏崎刈羽原発の再稼働に関して市民が抱く不安について整理し、市民の不安の声などを県に伝えること。
3. 知事の最終判断に関し県議会での意思表示を求めるとの要望を撤回し、知事に対し、市民・県民ひとりひとりが意思表示できる機会をあらためて求めること
以上
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2025年11月18日
新潟市長
中原 八一 様
日本共産党新潟市議会議員団
市民ネットにいがた
無所属の会
緊急申し入れ:知事への要望の取りやめを強く求めます
本日(11月18日)付の新聞報道道によれば、柏崎刈羽原発の再稼働に関する知事判断について、市長は「県民の意思確認を県議会で行うべき」との考えを、早ければ明日(19日)にも知事に伝える意向とされています。
しかし、原発再稼働をめぐっては、県民の間に依然として多くの不安や疑問が残り、県民投票条例案が否決された後もなお、各種世論調査では約6割が「直接投票による意思確認」を望み、「県民に信を問う」とした知事の公約を尊重すべきだという声は根強く続いています。
市長と私たち市議会は新潟市民76万人の生命と財産を守る責任を担っています。本市は新潟県人口の3分の1以上を占め、市長や議会の発信や判断は県全体にも大きな影響を与えます。だからこそ、市長にはより一層の慎重な対応が求められます。また、市長の意向について市議会での説明や理解の醸成、合意形成を図るための説明や議論もないまま、「県議会での判断」を求めるのは整合性も問われるものであり、県民世論と乖離した要望を市長の独断で行なおうとするのは、大きな問題です。
また、本市では12月議会や新年度予算編成が迫る大変重要な時期であり、このタイミングでの要望行動については、市政運営上の優先順位の観点からも疑問です。
私たちは先週より、この問題で市長に対する要請文を準備し、所管課を通じて文案を送付した上で面会の日程調整を進め、21日に申し入れを行なうことになっていました。そこでは、「東電の不祥事や避難計画など多くの課題があり、県民の多くも『再稼働の条件が整っていない』と考えており、現時点で到底再稼働できる状態ではない」「再稼働の『地元了解』に関する知事判断を県議会に諮る手法は『県民に信を問う』とした知事公約と大きく乖離している」「市長は再稼働問題について『市民の皆さんの声をお聞きしながら安心安全を最優先させていく』と掲げた公約に基づく具体的な行動を取っていない」(県が実施したアンケートのうち新潟市民分の集計結果の入手やその解析をする意向もないことを別途確認済み)「市長が『知事の最終的な判断は、県議会が意思表示をすべき旨知事に伝えた』ことが知事の公約放棄を後押しする要素のひとつとなった可能性も否定できない」ことなどを指摘した上で、「知事の最終判断に関し県議会での意思表示を求めるとの市長の意見を撤回し、知事に対し、市民・県民ひとりひとりが意思表示できる機会を求めること」との要請を記載しています。
これらの指摘や要請の趣旨は、当然市長にも伝わり、把握されているはずです。それにもかかわらず、報道のような要望行動が21日の申し入れでの私たちの説明よりも先に行われるとすれば、市議会内の有志とはいえ一定の割合を占める重要な意見を無視・軽視することになり、極めて遺憾であり、抗議します。また、このような対応は、市長自らの公約にも反する要望で知事の公約違反をさらに後押しすることにもつながり、再稼働の是非という技術的議論にとどまらず、市民・県民の意思をどう丁寧に受け止めるかという、民主的手続きの根幹にも関わる重要な問題です。
ついては、今回予定されているとされる要望行動について、慎重に再検討され、実施を見直し、とりやめるよう強く求めるものです。
以上

