このところ新潟日報の地域版で新潟市の待機児童問題が取り上げられています。
統計上「待機児童ゼロ」になっているものの、希望する園に入れず、あきらめてしまっている人などが統計数字に表われないという問題です。
これは以前から問題になっており、議会でも取り上げられています。
数日前の新潟日報には、新潟市の場合、潜在的待機児童が「99人」となっている旨書かれています。ちょうど僕もそのさらに数日前にこの数字の資料を入手したところでした。
新潟市は「待機児童ゼロを維持」と謳ってきましたが、先日の市民厚生常任委員会の視察で訪れた名古屋市は、「国の基準ではゼロになるが、実際は潜在的待機児童はこれくらい」ということをHP等で明らかにしています(下図;資料1)。
これは積極的な情報開示だなと思って、新潟市の場合、名古屋方式で集計したらどれくらいになるのか、と所管課に調査を依頼。1か月近く経ってようやく届いたのが(下図;資料2)でした。
しかし、微妙に表の構成・表現が異なっています。まず、名古屋バージョンで「利用保留児童数」となっている欄が新潟市バージョンでは「入園を取り下げた件数」となっていて、さらに、肝心の名古屋の「保育所を利用できていない人数」の欄は新潟市バージョンでは存在していません。その理由を所管課に尋ねたところ「99名すべてが潜在的待機児童というわけではなく、実際に育児休暇を延長して取り下げた方々なども含まれるので」ということでした。
でも、新聞で書かれていた通り、手続的には「取り下げ」であっても、希望の園に入れずやむなくあきらめている人たちも少なくないはずです。また、これは名古屋方式でも十分カバーできていないとは思いますが、年度途中の申し込みでだめだった数はカウントされていません。
いずれにせよ、国の旧来の基準で「ゼロ」であっても、その実情を積極的に公表するという名古屋市のような積極さを、新潟市では感じることはできません。
まずは実情や課題の把握とその公開を積極的にと新潟市に求めたいと思います。