地域公共交通調査特別委委員会が執行部へ要望・提言

11月13日、私は委員長を務める公共交通調査特別委はこれまでの調査などの結果をとりまとめ、各会派の意見を調整・とりまとめて執行部へ意見を伝えました。
NHKニュースでも報じられています。
ニュースの内容には一部不正確なところがありますが、リンクを貼っておきます。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20231113/1030027090.html
以下は意見の内容です。
「口頭で補足」の部分は文書に入れていない内容です。

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令和5年11月13日

新潟交通との新たな協定および関連する課題に係る意見について

新潟市議会 地域公共交通調査特別委員会
委員長 中山均

新潟市が新潟交通と新たな協定を締結するにあたり、当委員会として、これまで協定や本市交通政策に関する調査、行政視察やそれらを通した議論を踏まえ、以下のように本市に対する意見を取りまとめた。これらの中には、新潟交通に対する本市からの働きかけや提案などが必要なものや、協定に直接反映できるもの以外の関連課題についても盛り込んだので、内容に応じて適切な対応をお願いしたい。

1.委員会全体で合意できた意見
○協定締結に向けた協議の基本姿勢
・地域公共交通の確保に向け、バスサービスの維持・向上をめざす目的を共有するとともに、市と新潟交通それぞれの課題を相互に理解し、双方の十分な議論のもとで、利用者でもある市民の利便性向上に向けた協定となるよう努力していただきたい。
○新バスシステムや旧協定で打ち出された目的・方針の一部継承
・当初打ち出された「速達性」については引き続き追求していただきたい。
・郊外バス路線の減便がこれ以上進まないよう、各地域の声を聴きながら、市と新潟交通が協力して対応していただきたい。
・そのためにも、公設民営方式による公共負担分がBRT以外のバス路線サービスに還元されるという新バスシステムの導入目的を継承した何らかの取り組みを盛り込むべき。
・総走行距離数についても、その維持が困難であることは理解するが、それに代わる努力目標の設定と、その目標を踏まえた毎年の定量と実績値の公表ができないか、検討を望む。
○市民・議会への説明
・協定に向けた協議の進捗、また、協定に基づく具体的な事業・施策、地域公共交通計画の策定、バスの運賃値上げや減便など、重要な方針・施策などについては、必要に応じて新潟交通にも協力を求めながら、適宜市民や議会への説明や情報公開を積極的に進めていただきたい。
○新潟駅高架化とまちづくり
・駅の高架化に伴い、駅南北のまちづくりの一体化に資する路線の重要性を当特別委員会としても認識する。市民団体・住民団体等からの要望なども踏まえ、対応を進めていただきたい。
口頭補足:鳥屋野潟南部から古町・市役所を縦貫する路線の新設と、それに伴う既存路線の再編、新潟駅・まち中・市役所・県庁と笹出線を経由する環状路線の新設などが市民団体からも求められている。
○運転手不足対策
・運転手不足解消のための取り組みについてはすでに方向性が示されているが、新潟交通とも連携し、他都市や事業者の取り組みも参考にしながら進めていただきたい。
○利用者増の取り組み
・アンケートなどを通して市民ニーズの把握を進めていただきたい。
・利便性の改善、パーク&ライドの整備・推進、商店街イベントなどとの連携、市内観光ニーズの掘り起こし等を進め、バス利用のメリットの提示や広報などを通して、バス利用のインセンティブを高める取り組みを進めていただきたい。
○DX化への取り組み
・先進モビリティサービス(MaaS・ AI オンデマンド交通など)を用いた利用者の利便性向上や事業効率化のためのDX化に向けて、新潟交通との協議や支援を検討していただきたい。
口頭補足:本市の支援によってDX化が進められた場合、利用データ等を交通事業や公共交通政策に活かすことも可能になると考えられるが、そのデータの取扱いについても新潟交通との間で十分な協議が必要ではないかと考える。
○新潟交通以外の事業者やバス以外の交通手段との連携
・新潟交通のバス路線を補完する区バス・住民バス・エリアバス×タク、あるいはJRなど、さまざまな交通手段・交通事業の活用や相互連携を進めていただきたい。
・スクールバスの一部を昼間の時間帯の区バスなどに利用することなどについても検討していただきたい。
○交通環境のバリアフリー化の推進
・高齢者、障がい者、妊婦などの声を丁寧に聞き取り、新潟駅高架下に新たに開業するバスターミナルを含め、交通環境の改善やバリアフリー化を進めていただきたい。
○新潟交通への財政支援のあり方
・財政支援を行なう場合があっても、単なる赤字補填のような形ではなく、先に述べたDX化に向けた支援など、バス交通の利便性向上や事業の持続性の確保に資するあり方を検討していただきたい。
○路線の事業継承
・新潟交通路線の減便・廃止がなされる場合、市が関与しながら他の事業者への事業継承を円滑に進めていただきたい。
○通学生の運賃支援
・今回の運賃値上げによる通学生への影響については、「スクールワイド定期」の値段が据え置かれたものの、一定距離未満の通学ではメリットがほとんどないことから、負担軽減措置を本市と新潟交通とで検討願いたい。
・また、普段バスを利用していない生徒の新たなニーズ(休日の利用など)を掘り起こすような取り組みも検討していただきたい。
○国の支援制度の活用
・公共交通維持のために、国が今年度より創設した支援制度などについて、その効果や持続性等の観点から活用を検討するとともに、必要に応じて、他都市と連携し、国に対して、より使いやすく実効性のある制度に向けた提言・要望なども検討していただきたい。

2.合意には至らなかったものの特記すべき意見
○りゅーとカードの他機関での利用など
・りゅーとカードを他の交通機関でも利用できるようにするなど、利用の促進などにも努められたい。
※口頭で補足:JR等でりゅーとカードを利用できるためにはかなりの財政負担が必要であること、キャッシュレスやデジタル化が進む中で現在のりゅーとカードの仕様のまま利便性を高めることには議論の余地があり、全体意見とはしなかった。ただし、ICカードやキャッシュレス支払いなどさまざまな仕組みによる利便性向上については今後も進めていただきたい。
○医療難民・買い物難民対策
・減便のため医療機関に通院することも困難になっている1日1往復しかないダイヤなどを調査し、以前の便数に戻し、医療難民を解消すること。買い物難民などの解消も含めて検討すること。
※口頭で補足
現在の新潟交通の経営状況なども踏まえ、実現可能性や財政負担の観点で全体意見とはしなかったものの、重要な課題であり、全体で合意した意見で言及したDX化によるデマンド交通なども含め、課題解決に向けて可能性を探っていただきたい。
○運賃無料制度の検討
・所得や年齢、障がいなどによるバス年額負担金による運賃無料制度を検討すること。
※口頭で補足
技術的課題と財政負担の観点で全体意見には盛り込まなかったが、割引制度を含め、他都市の取り組みなどを注視していただきたい。
○シニア半わり上限引き上げ
・ニア半わりの上限3500円の引き上げを。
※口頭で補足:費用対効果の問題や市の財政負担の問題でこれまで議会でも議論があり、全体意見とはしなかった。ただし、運賃値上げによって高齢者のバス利用者の負担も増えているので、その実態を注視しながら、必要に応じて適切に対応していただきたい。
○減便・路線廃止の影響の数値化
・負のスパイラルに伴うバスの減便・路線の廃止は、地域の医療・福祉、商業、教育、観光などさまざまな分野に影響が生じ、土地の価値低下による固定資産税の減収なども起こり得る。バスの減便が事業者から提示された場合、その影響について数値化した上で事業者に対し意見を述べていただきたい。
※口頭で補足:技術的課題や事業者との関係性において課題があり、全体意見とはしなかったが、減便や路線廃止はさまざまな分野で直接的・間接的影響があること、その「見える化」も必要であるとの問題意識は重要と考える。

以上

今後、地域公共交通計画の策定など、適宜意見を申し上げていきたいと考える。

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