コロナ対策関連、無所属3名で市長へ申し入れ

新潟市議会内の無所属3名は、政治的立場は異なりますが、コロナ対策関連で意見交換を重ね、共通して市に要請すべき項目をまとめ、本日申し入れました。
朝妻副市長が対応し、前向きな議論や回答がありました。
取材に来た記者も「よい内容でした」と高く評価してくれました。

内容は以下の通りです

 新型コロナウィルス感染症は、本市においてその第一波がようやく抑えられつつあります。これまでの市長はじめ関係部局職員の熱心な取り組みに心より敬意を表するとともに、医療従事者、介護、保育、教育関係者をはじめ、多くの市民が市・県と一体となって取り組んだ成果であると高く評価します。
 一方、感染拡大とその対策・対応によって、さまざまな業界や市民が疲弊し傷を負っており、すみやかな手当と回復も求められます。私たち無所属議員も、それぞれの立場で、市内の多くの方々から切実な声を伺ってきました。
 新潟市において、これまで得られた経験や知見を活かし、今後の対策に備えると共に、「新しい生活様式」を踏まえた豊かな市民生活や地域経済の循環や活性化に向けた取り組みが必要です。
 そこで、以下の要請を取りまとめました。無所属の議員3名で取りまとめた内容ですので、必要な施策の全てをカバーするものではありませんし、不十分なところもあるかもしれません。しかし今回の申し入れによって、市長も議会内の全ての会派・議員からの要請を受けることになり、今後の対策にあたって、より幅の広い検討にもつながると考えます。
ご理解をいただき、早急なご検討・ご対応をいただきますようお願いいたします。

1. 市民生活の回復と緊急地域経済対策について
(1) 休業等を余儀なくされている市民の緊急雇用
 他市でも取り組まれているように、現在休業等を余儀なくされている人々を、今後本市で増大する見込みのある業務(特に新型コロナ感染対策としての各種給付金や減免申請事務補助等)を担っていただくために臨時職員(会計年度任用職員)として緊急に雇用することを求めます。
 現在も各部署で一般業務で採用募集しているところ応募がないと聞いていますが、従来とは大きく異なる層の人たちが短期間・臨時でも就業機会を求めています。コロナ経済対策であると同時に「連帯経済」という意義も大きく打ち出すとともに、従来の手段以外にもSNSを通じた発信でより広い層に情報を届けることが重要と考えます。
 本市においても全庁的な照会で今後増大が見込まれる業務の質と量を把握しつつ、迅速に明確な姿勢を打ち出すべきです。
※参考:南魚沼市は30人程度の採用で予算5400万円ほどを計上。公共施設の消毒や各種給付・減免申請等の事務補助などの業務を想定している。

(2) プレミアム付利用券(仮)の発行
 特別定額給付金を積極的に消費に回し、市内経済の3分の2を占める市民消費を活性化するため、プレミアム付利用券(仮)の発行を求めます。
 すでに川崎市では30%のプレミアムをつけて、事業規模113億円。市負担は事務費4億円を込みで30億円を補正に計上しました。札幌市でもプレミアム20%で、15億円を補正予算化しました。他に政令市では北九州、熊本、福岡(県で)。県内は上越、妙高、糸魚川、見附、新発田、村上、南魚沼市が実施を明言しています。
 一方新潟市は、各商店街に対し、コロナ防止事業に1億3千万余を6月議会に補正予算として提案するにとどまっています。
 新潟市でも、事業規模100億円、市負担20億円の事業実施を要望します。また、今回は商店街で利用できる「商品券」だけでなく、飲食店やさまざまなサービス事業者も対象とし、そこで利用できる「利用券(仮)」にすべきです。
 また、利用券(仮)券の発行については、本来は地域内消費に焦点を当てたスキームも検討されるべきですが、今回は迅速な実施が重要であり、そのために煩雑な事務作業や制度設計を避け、シンプルな仕組みとすることが重要と考えます。

(3) 公共交通事業者、運営に対して支援を
① タクシーについて
・ タクシー業界では、乗客数の激減による経営の悪化だけでなく、新型コロナウィルス感染の疑いのある者等の運送や、運転者に対する感染防止研修、感染防止のための車両改造等、タクシー特有の新たな負担が生じています。これらの補助等を検討ください。
・ 上記を含め、タクシー業界の現場の声を聴いてください。
② 住民バスの利用率低下による収支率の低下に理解を
・ コロナの影響で低下した収支率による、地域負担が生じないよう望みます。

2. 学校、保育園、幼稚園、認定こども園に対して
(1) 学校について
① 本市では「教育ビジョン」に基づき、学校は教育コーディネーターや地域の団体・人々にも支えられながら地域との交流・活動を重ねてきました。しかしコロナ感染拡大の中で、それらは中止あるいは手探りの状態が続いています。学校外部からの支援や校外との交流連携活動などにおいて、ガイドラインの作成が必要だと考えます。
② 学校職員は学校生活を取り戻すべく取り組んでいますが、施設の消毒など新たな作業も発生し、物理的にも消毒作業などが厳しくなっています(特に小規模校)。また、地域のボランティアが消毒対応にあたっている学校もありますが、全地域で同様の対応を継続できる保障はありません。これらへの対応と消毒等消耗品費に対する配当をお願いします。
(2) 幼稚園や保育園等について
① 幼稚園協会では独自にガイドラインをつくり取り組んでいますが、感染防止に対する消耗品の支給や、物品購入の際に安全で品質の保全されたものの手配をお願いします。(ネット等で品質の確保されないものを買うケースがある)
② 給食の食材業者への支払い、利用しないバスへの支払いなど、園からの支払いの発生があっても保護者からいただけないものがあります。これらに対する対応が必要です。
③ 保育従事者も、医療従事者と同様、リスクを感じながら対応してきました。特別手当の検討やねぎらいの言葉をお願いします。
④ 「新しい生活様式」や第2波に対応した施設の改修(換気扇の設置、手洗い場の増設、配膳室の改修など)への助成をお願いします。

3. 新型コロナウイルスの第二波・第三波を含む新興感染症への対応体制の強化
(1) 発熱外来・PCR検査体制の拡充
 秋以降の2次感染拡大が予想されるだけに、さらなる大幅なPCR検査の拡充が求められています。
 県では医師会と調整し、発熱外来の設置や7つの2次医療圏域毎にPCR検査センターを設置するとしています。また医療機関での感染の防止にもつながることから、市独自でも拡充すべきです。できれば各区1ヶ所、少なくとも市内で3ヶ所を求めます。
 さらに、現在の対策の枠組みでは、保健所がPCR検査の窓口・検体採取、検査機関への搬送、受検者への結果通知、濃厚接触者の調査と検査など、クラスター対策の前線の様々な役割や機能を担わされており、負担が集中していると思われます。PCRセンター設置だけではなく、既存の医療機関の中でも検査対応できるような体制の整備など、保健所と医療機関等との役割分担などを検討する必要もあると考えます。
(2) 第一波の経験と課題の検証、共有
 新潟市の新型コロナ感染経路等を検証すると、全体として感染は比較的うまく追跡され、抑え込まれています。他県と比べていちはやくドライブスルー検査を導入していること、「発症2日前」からの接触を追跡できていること等に加え、感染が確認された市民やその企業の自発的な行動にも支えられています。これらから得られた教訓や課題は、新潟市担当部局の内部だけでなく、広く市民や他の自治体でも共有し、協力して次の感染対策に活かすべきと考えます。
(3) インフルエンザ予防接種への補助拡大について
 秋以降、新型コロナウイルス感染とインフルエンザ感染が同時に拡大する可能性が高く、医療機関に大きな負担がもたらされることも予想されます。医療機関の負担をできるだけ軽減するため、インフルエンザ感染の拡大を防ぐ予防接種の規模を拡大して実施することが求められていると思います。
 インフルエンザ予防接種についての補助は、現行では65歳以上と60歳以上の身体障害者手帳1級相当の一部の人に縮小されましたが、国保被保険者を中心に大幅な拡大が望まれます。
 また、子どもは免疫力が弱く、2回の接種が必要なことから、補助が必要です。これ以上の学校休校を防止する上からも大切です。